「イッツ・ジャズ」レーベル

----- Magi(マギー)2004年10月号より -----
迫真の熱演を繰り広げる未発売ライヴ音源発掘!

 「快哉を上げる」。少々ジジ臭い言い回しだが、本作への感想に述べる
に、これより相応しい言葉は思い当たらない。『the 1st』そして『the
2nd』。ブルージーなジャズ・ピアノの名手として今なお根強い人気を誇
るジュニア・マンスが、ピアニストとしての最盛期に残したトリオ・ライブ音
源が発掘された。
 1984年、山中湖畔のジャズ・スポット、3361*BLACKで収録されたこの
ライヴ。名エンジニア、及川公生氏の録音により、20年の時を超えて驚異的
な熱演が蘇る。ブルージーに始まる『the 1st』の冒頭からメンバーいずれ
も快調そのもの。マンスのバックでは、じっくり地を這うような伴奏を聴か
せるベース、ドラムが、各々のソロになると一転。大爆発の如き迫力満点の
演奏を披露し、それに触発されて他のメンバーもさらにヒート・アップ。相
乗効果で驚くべき気迫のこもった熱演を聴かせてくれる。まるで暴走機関車
「A列車で行こう」。心躍る「春の如く」。『the 2nd』では自作の名曲
「ジュビレイション」。ソウルフルな「ミーン・オールド・フリスコ・ブ
ルース」。とにかく快哉を上げずにはいられない、ハッピーな演奏が目白押
しだ。
                            (田辺有朋)



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