スタイグ&ゴメスが呼び覚ますビル・エヴァンスの魂を聴け! |
スタジオFにおける「トリビュート・トゥ・ビル・エバンス・コンサート」の
模様を収めたこのアルバムは、1969年のエヴァンスの名盤『What's New』の
レコーディング・メンバーであるエディ・ゴメス(b) が同メンバー、ジェレ
ミー・スタイグ(fl) を誘う形で実現した。互いに32年もの月日を重ね、外見的に
は例外なく年老いたが、そのプレイは天国で眠るエバンスも目を覚ますほどの迫
力!単なる再現に留まらないエネルギッシュでパワフルな熱演は圧巻の一言!
冒頭の「ナルディス」から凄い。ジャズが凄かった60年代にタイムスリップし
たかのようだ。唸るゴメスのベース、鬼気迫る如く激しい息遣いがライヴ感を一
層強めるスタイグのフルート。また、マイルスの歴史的名盤『カインド・オブ・
ブルー』から約45年の時を経た今も、全く衰えを見せぬ熱いエナジーで見事なス
ティック捌きを披露するジミー・コブの存在が胸を打つ。エバンスの魂に応える
カールソンのプレイも見事。また、プロデューサーの藤井氏のリクエストで加え
られた「ストレート・ノー・チェイサー」も必聴だ。 (加瀬正之) |
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